義理の値段

このところ仕事で工事の見積なんかを相見積することが何度かあった。

小さな会社だが部門が分かれていてそれぞれに抱えている工事業者が違うのである程度値の張る工事は緊張感を忘れない為にも相見積にすることになっている。

今いる部門での工事の場合は私が担当になる為、相見積や経過などは逐一把握できる。

ただし、把握していない部門の場合はそれはできない。

どうも焦臭い話題があって、その時に考えたこと。



ある事業の見積を上げる際、不備があっては元も子もないので業者は人手を使って見積を作成する。

ある程度事業の規模がある場合、業者は単一では無く元請けからの依頼で下請けが動き見積を作成する事になる。

事業を獲得できる見込みは無くても下請けが無償で動くのは元請けとの信頼関係というか義理のなせる業だと思う。

元請けは下請けに仕事をとってくる事でその信頼関係は築かれる。

見積を大量に発注して実際の仕事が無い場合には元請けは下請けからの信頼を無くす。

元請け(以下A)は依頼主を信頼して見積を入れるのだけれど、依頼主が別の業者(以下B)で相見積をとっていて断りも無しに別の業者を選ぶと事業は行われる。

このとき、事業は実際に行われていることから元請けAは別の業者に事業はとられた事を知る。

しかし下請けは元請けAが別の下請けに事業をさせたのでは無いかと勘繰る。

元請けAがBに仕事をとられた事を説明しても下請けには信用されない。

結果元請けAは下請けを一つ失う可能性がある。



今、私の把握していない範囲で同様の事が巻き起こっていて、私が懇意にしているAに話を聞くとどうやら別部門での見積で相当に酷な扱いを受けている模様。

別部門で懇意にしている元請けBってのがいつも相見積をするとAより1割は高い見積なのだけど、どうもBを懇意にしている社員がキックバックを受けているのか優先的に仕事を回している。

それは狡猾で社長の意向とは別に動いているのだけど既成事実として発注をしてしまい事後承諾を得ている。

そこでこちらがどう言おうが、その発注に異を唱えない社長が悪いのだが全くこちらは把握していないのでぐうの音も出ない。



そんな折りに考えたのが義理の値段って高くつくよなぁ、と。

ちょっと考えがまだ纏まってないのだけどとりあえずのメモ。